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MARVEL MYSTERY COMICS #7 - 10

※ この記事では、マーベル初のキャラクタークロスオーバーとなるエピソード、ヒューマン・トーチ vs. サブマリナーのエピソードをご紹介します。現在入手可能な書籍では、2冊に分かれての収録となります。(記事末尾に記載)
※ MARVEL MYSTERY COMICS は、いわゆる日本の漫画雑誌のように、一冊の中に複数のキャラクターのエピソードが収録されているため、この記事ではヒューマン・トーチおよびサブマリナーに関するストーリーを抜粋してご紹介します。



【基本情報/MARVEL MYSTERY COMICS #7】
出版情報:   Timely Comics (May, 1940)
言語:     英語

サブタイトル: The Human Torch
  ライター: Carl Burgos
  ペンシラー: Carl Burgos

サブタイトル: Prince Namor, the Sub-Mariner
  ライター: Bill Everett
  ペンシラー: Bill Everett




【基本情報/MARVEL MYSTERY COMICS #8】
出版情報:   Timely Comics (June, 1940)
言語:     英語

サブタイトル: The Human Torch and the Sub-Mariner Meet
  ライター: Bill Everett
  ペンシラー: Bill Everett

サブタイトル: The Search For Sub-Mariner
  ライター: Carl Burgos
  ペンシラー: Carl Burgos




【基本情報/MARVEL MYSTERY COMICS #9】
出版情報:   Timely Comics(July, 1940)
言語:     英語

サブタイトル: The Human Torch Vs. the Sub-Mariner
  ライター: Bill Everett
  ペンシラー: Carl Burgos


Marvel_Mystery_Comics_Vol_1_10.jpg

【基本情報/MARVEL MYSTERY COMICS #10】
出版情報:   Timely Comics (August, 1940)
言語:     英語

サブタイトル: The Human Torch and the Sub-Mariner
  ライター: Carl Burgos
  ペンシラー: Carl Burgos


【登場キャラクター】
メイン:  ネイモアヒューマン・トーチ(初代)
サブ: ベティ・ディーン

【概要】
★#7 "The Human Torch" "Prince Namor, the Sub-Mariner"
ニューヨークでヒーローとして活動をしているヒューマン・トーチと、ニューヨークへ襲撃をかけるネイモア。
#7の最後のシーンで、お互いの作中にお互いの名前が初めて出てきます。
ヒーローとアンチ・ヒーローがお互いの存在を意識し始める歴史的瞬間!

■ヒューマン・トーチのエピソード
(#7のヒューマン・トーチのエピソードは警察と協力し悪党をやっつけるというものであり、直接的にサブマリナーとの対決には関係しないのでここでの紹介は割愛します。)
事件を解決したトーチが警察署に戻ると、署内が騒然としています。そこで彼は警察官がネイモア襲撃について電話で話しているのを聞きつけます。

トーチ「おい!何をそんなにバタバタしてるんだ、みんな!」
電話をしている警官「こちらは警察機動隊です!…サブマリナーが街を破壊しているんです!」
トーチ「サブマリナー?誰だそれは?…??!」

■サブマリナーのエピソード
(これ以前のエピソードで、これまで警察に追われていたネイモアはついに捕まってしまいます。彼は汚名をそそぐために洪水に飲まれた人々を助けたり、強盗を捕まえたりするのですが、結局裁判にかけられ、有罪判決を下されてしまいます。
電気椅子にかけられるのですがネイモアには効果なく、彼はその場を破壊してニューヨークから去っていきます。)

ニューヨーク襲撃を誓ったネイモアは、自由の女神を襲撃し、そこを拠点に侵攻を開始します。
列車を破壊し、エンパイア・ステート・ビルを破壊したところで、女性警官であり地上での友人であるベティ・ディーンに出会います。ベティは警官ですが、地上の人間とは異なるネイモアのことを理解し、何かと助けようとしてくれるネイモアの友人です。

ネイモアは彼女から、トーチが警官隊に加わった事を聞かされます。

ベティ「お願い…お願いだからネイモア、うちへ帰ってちょうだい!そして私達に平穏を与えてちょうだい!私はあなたが…心配なの、ネイモア!」
ネイモア「この余が…心配だと?」
ベティ「そう。ヒューマン・トーチが警官隊に加わったのよ!」
ネイモア「奴に関しては聞いた事がある。そなたはそやつのちっぽけな炎で、余が傷つくとでも思っておるのか?ハッ!」


★#8 "The Human Torch and the Sub-Mariner Meet" "The Search For Sub-Mariner"
続く#8では、通常通り「ヒューマン・トーチ」と「サブマリナー」のエピソードは別々の作品としてそれぞれ描かれているのですが、同じ時間軸での事件をそれぞれの視点から描いたストーリーとなっています。
ニューヨークで暴れるネイモアと、警官隊としてネイモアを探すトーチ。
終盤で二人は出会い、ついに戦いが始まります。

■サブマリナーのエピソード
前回に引き続いてネイモアはニューヨークで暴れまわり、ブルックリンの動物園でライオンやゾウ、蛇などの猛獣を大量に逃がしていきます。
そこで彼は混乱の中に取り残されてしまった赤ちゃんを発見します。

ネイモア「来るのだ、赤子よ!」

彼は赤ちゃんを抱きかかえたまま、病院の屋上に降り立ちます。病院は大混乱。

「な、何だ!」
「サブマリナーだ!」
ネイモア「そうだ…だが余はそなたらを害しに来たのではない。この赤子は誰かの世話を必要としておる。」

そう言ってネイモアは赤ちゃんを看護士さんに手渡します。

「彼は皆が言うほど悪い奴じゃないんだな」
ネイモア「フン!馬鹿者め!見ておれ!」

病院を後にしたネイモアは、次にブルックリン橋を破壊し始めます。そこへついにヒューマン・トーチが現れます。

■ヒューマン・トーチのエピソード
このエピソードでは、トーチはネイモアを追って奔走することになります。
警察の長官から、ネイモアを発見できないことを叱責され、「僕を侮辱するのか?それなら…」と、長官の胸ぐらを掴んで殴りかかろうとするトーチ!
そこへネイモアの目撃情報が入り、発火したトーチは警察署の壁を溶かして飛び出して行きます。壁の大穴を見ながら長官が呟きます。
長官「短気な(hot tempered)奴め!彼ならサブマリナーの相手には丁度いいかもしれんな!」

その後、トーチは#7でネイモアが破壊した、列車の通る高架へ到着しますがネイモアは去った後でした。橋を修繕したところで、彼はベティに呼び出されます。実はベティはトーチに対し、ネイモアは悪い人ではない、と説得するために来たのでした。

ベティ「トーチ、彼は私たちの考えてる半分ほども悪くないのよ!でも、刺激してしまったらとっても危ないわ!」
トーチ「聞くんだベティ。あのミズスマシ男はすでに甚大な被害を与えているんだ。それに僕の任務はあいつを捕まえることだ。やってみせるさ!」
ベティ「馬鹿げてるわ!」

トーチは彼女の説得には聞く耳を持たず、再び飛び出して行ってしまいます。
その後、ネイモアが破壊したエンパイア・ステート・ビルに向かいますが、そこも一足遅く、ネイモアが去ったあとでした。
次にトーチはブルックリンの動物園へ向かいます。そこではネイモアに逃がされた猛獣たちが襲ってきますがトーチはそれを抑え、捕獲していきます。
そしてついに、ブルックリン橋でネイモアと対峙します。
この時トーチがネイモアを初めて "Water rat (ドブネズミ)" と呼び、またネイモアがトーチを "Firebug (放火魔)" と呼んでいます。後年まで二人はこの名前で互いを呼びあっているのですが、その名前はこの時ついたのですねw

さて、ついに出会った二人!戦いが始まった!次回へ続く!


★#9 "The Human Torch Vs. the Sub-Mariner"
#9ではこれまで別々に描かれていた「ヒューマン・トーチ」と「サブマリナー」のエピソードが融合し、ひとつのストーリーになっています。
そのため通常の2倍(扉絵込みで22ページ。通常では1キャラクターのエピソードは10ページほどです)のページ数が割かれ、全ページずっと戦っているという非常にテンションの高い作品です。

ワクワクする場面がたくさんあります。
・消火器で消火液を噴射されて火が消えてしまうトーチ
・トーチが海に沈められて危機一髪!
・トーチの炎に羽根を焼かれて飛べなくなるネイモア
・飛べなくなったために小型飛行機を乗っ取って逃げようとするネイモア などなど…。

前の巻から二人の戦いを止めようとしているベティは、この話の中でも長官とトーチに訴え続けています。
いったん警察署に戻ったトーチに対し、ベティは言います。

ベティ「私はネイモアと話すことができます!きっと彼は私の話を聞いてくれます!彼はあなた達が考えているほど悪い人ではないんです!」
長官「分かるよ、ディーンくん…だが我々はこの機会を逃すわけにはいかんのだ。サブマリナーを殺さねばならん!」
トーチ「そしてそれができるのは僕だけだ!」

その時テレビにネイモアが映り、トーチに宣戦布告をします。(ちなみに、アレックス・ロス氏の描いた Marvels の中でも、ネイモアがトーチに対してテレビ画面を通して宣戦布告する場面がありますが、それはこのシーンです。)
テレビを見たトーチは飛び出していき、テレビ局に駆け付け、戦いを再開することになります。

#9のラストで、真空の容器の中にトーチが閉じ込められてしまい、トーチは発火することができなくなってしまいます。しかも容器はゴムのように伸縮し、中から破壊することができません。また、ネイモアはトーチに発火させる事なくトーチを倒すことができず、容器に入ったトーチの前で佇むのみ。

膠着状態に陥ってしまった二人。この決着やいかに!?次回へ続く!
というわけで、丸々1ページを割いて、睨み合う二人の絵と一緒に、長々と次回予告の文が書かれています。

「やあ!よい子のみんな!
(中略)
彼らはどうしたらいいだろう?君ならどうするかな?
君の解決策は何かな?
僕らのすごい解決策は次回…
マーベル・コミックスで!」

うーん、とってもセンセーショナル。
これは期待せざるを得ない(笑)
次巻発売までの間、学校でお友達との話題にするしかないですね!


★#10 "The Human Torch and the Sub-Mariner"
そして対決の最後のエピソードとなるのが#10。
前の巻でさんざん煽られて終わっていましたが、意外にあっさりした結末を迎えます。(たったの1ページ!w)
というのも#10では再び通常どおり、「ヒューマン・トーチ」と「サブマリナー」のエピソードは別々に展開されており、対決後別れた二人の、それぞれの新しい物語が始まっているのです。
というわけで前回膠着状態だった二人はどうなったのかというと…

どうにかして二人の戦いをやめさせようとしていたベティが、他の警察官とともにやってきて、ネイモアに呼びかけます。

ベティ「聞きなさい!ここにはあなたの出来る事は何もないわ。攻撃を全てやめるのよ。もしあなたが出て行って、そして私達を放っておいてくれるなら、トーチは二度とあなたを煩わせたりしないわ!」

それを聞いてネイモアはトーチを解放します。ネイモアは、以前に人々を助け警察に感謝されたものの裁判で有罪になったことがあり、そのため約束を疑います。

ネイモア「そなたらは以前にもそのような約束をしたが、しかし…」
トーチ「この約束は守られるとも!誓うよ!」

そしてついにネイモアは了承し、去って行きます。

トーチ「さようなら、ネイモア。…君は手強い相手だった!」
ベティ「さよなら、ネイモア!」

これで、ヒューマン・トーチとネイモアの対決はお終いです。
終始二人の戦いを止めようしていたベティの努力が報われた形の終わり方です。

どちらかがどちらかをやっつけるのではなく、人間の理解者によって、人間ではない二人が曲がりなりにも和解して終わる、というのが、単純な勧善懲悪ものではないこの対決の決着に相応しい終わり方だと感じました。


【所感】
当時の人気キャラ同士の初クロスオーバーということで、当時は盛り上がっただろうなぁ!とワクワクしながら読みました。
直接対決が描かれているのは、実質的には1エピソードなのですが、それに至るまでの伏線の張り方(#7,8)が丁寧で、「いつ出会うのかな?出会ったらどうなっちゃうの?」とハラハラしながら読めること請け合いです。

また、ゴールデンエイジの作品全般に共通して言えることですが、子供向けの作品なので英語が分かりやすく、とても読みやすいです。

個人的に特に印象に残ったのは、#8でのサブマリナーの描かれ方です。
破壊活動を行う中で、赤ちゃんを助け出すシーンを挿入することで、彼の優しい一面を知ることができます。
単純にヒーローものとして考えると、ニューヨークを破壊し、混乱に陥れるネイモアは悪役です。しかし、戦いが始まる直前のエピソードにて彼の優しさを見せる事で、「ネイモアってそんなに悪い奴じゃないんだな」と読者に思わせる効果が出ていると思います。

それから、ヒーローであるトーチがベティの言うことに全く聞く耳を持たず、一方で街を破壊していたネイモアがあっさり彼女の説得に応じるあたりも、対照的で面白いと思いました。

トーチとネイモアの戦いは、「悪者をやっつけるヒーローの話」ではなく、「スーパーパワーを持ったライバル同士がお互いの立場の違いから激突する話」なのですね。うーん、かっこいい!

後年、 Marvels などの様々な作品で何度も再現されているエピソードの原典であり、またマーベルの歴史を語る上で欠かせない作品なので、ぜひ皆さんにも実物を読んでいただきたいです。お勧め!


【収録誌Amazonリンク】
#7 - 8 収録
Marvel Masterworks: Golden Age Marvel Comics - Volume 2Marvel Masterworks: Golden Age Marvel Comics - Volume 2
(2006/03/31)
Marvel Comics

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#9 - 10 収録
Marvel Masterworks: Golden Age Marvel Comics - Volume 3Marvel Masterworks: Golden Age Marvel Comics - Volume 3
(2008/08/27)
Marvel Comics

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