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映画「ローン・レンジャー」元ネタ考察

先日、映画「ローン・レンジャー」を観てきました。
先に公開された各国での興行収入が良くないだとか、事前にあまりいい評判を聞かなかったのですが、実際観に行ってみたらコメディタッチの王道娯楽ヒーロー映画で、アクションシーンも豪華で楽しく、予想以上にとても楽しめました。

そこで「そう言えばローン・レンジャーって昔からいるキャラクターだよな…?」と思い至り(アメコミでゴールデンエイジばかり追いかけているせいか、変な習慣がついています笑)、帰りがけに何気なくツタヤに寄ったところ、海外ドラマの棚に白黒作品のDVDがあったので即レンタル。
レンタルにあったDVD二本分(1〜8話)を観てみたのですが、これが個人的にクリーンヒット。
レンジャーさんのスマートな活躍ぶりや古典ヒーローらしい独特の格好良さにもう夢中になってしまい、昔のDVDやアメコミを買ったり、映画の元になったと思われるシーンを知ったり、それに伴って映画をまた観たくなったり…という無限ループにハマっております。
(レンタルで出ているのは下記のDVDのVol.1とVol.2のようです。お買い得!w)

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(2013/07/26)
クレイトン・ムーア、ジェイ・シルヴァーヒールズ 他

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■ローン・レンジャーの歴史
ローン・レンジャーの歴史は古く、1933年から放送されたラジオドラマ(1933年~1954年/全2956話)がオリジナル作品となっています。
他に、テレビドラマ版(1949年~1957年/全221話)や映画版(1956年、1958年、1981年)、アニメ版(1960年代)、ノベライズやコミカライズが行われるなど、様々な形で広く展開されています。
テレビドラマ版は日本でも1958年〜1962年の間放送され、「アメリカ版鞍馬天狗」としてお茶の間で親しまれたそうです。
なお、コミックスはDynamiteから現在も刊行されています。


…というわけで、テレビドラマ版を中心とした過去の作品から、今回の映画の元になったと思われるシーンなど、個人的に気がついたことをメモがてら書いていこうかと思います。
「このシーンの元はこれかな?」という、個人的な気づきですので、公式情報などを元にしていない旨ご了承ください。

※私が観た過去の作品は、1949年からのテレビドラマ版の1〜8話と、テレビドラマ版の映画スペシャル的な位置づけの映画版(1956年、1958年)です。
※映画を観る前に元ネタが知りたい!という方は、入手のしやすさなどを踏まえますと、テレビドラマ版の1~3話をご覧になるといいと思います。
※以下、映画のネタバレを含みます。ご注意ください。


■冒頭の遊園地
【映画のストーリー】

1933年。遊園地に設営された西部開拓時代をテーマにした見世物小屋に、白いテンガロンハット・黒いマスク・首に赤いバンダナ、腰に銀の銃という格好の少年が入っていきます。

【元ネタと思われる要素】
ローン・レンジャーのラジオドラマが放送開始したのは、1933年1月30日です。ですので、この少年はローン・レンジャーのラジオドラマを聞いていたと推察されます。
また、帽子・マスク・バンダナ・銃は、ローン・レンジャーのトレードマークとも言える格好です。少年がローン・レンジャーのファンであることは間違いないと思いますが、1933年当時に、ローン・レンジャーのビジュアルがどの程度明らかになっていたのかは調べ切れていないため定かではありません。。


■主人公ジョン・リード
【映画のストーリー】

東部で法律を学んだ青年ジョン・リードが、平和な社会への希望を胸に故郷に帰ってきます。彼は法律でいい世の中を作るんだ!と理想に燃えています。しかし故郷の西部テキサスは、無法者が多く存在し、時に先住民との争いも起こっているという状態で、法律や理想論だけでは平和を望むことは難しい社会でした。

【ドラマ版】
主人公であるローン・レンジャーとなる青年のファースト・ネームは、ラジオドラマやテレビドラマでは明らかにされていませんでした。彼の兄であるテキサス・レンジャー隊長は、作中でリード隊長と名前が出ているため、当時は彼のラスト・ネームがリードであることだけは分かっている、という状態でした。
彼のファースト・ネームが「ジョン」であるという事が明かされたのは、1953年に放送されたローン・レンジャー20周年記念のラジオ番組だったそうです。

【好感が持てた改変ポイント】
テレビドラマ版のローン・レンジャーは、ローン・レンジャーとして活動することを決意するなり、「法によって平和な社会を作る!無法者と戦い、止むを得ない場合は銃を使うが、人は殺したくない」と宣言します。当時のヒーローとしてはそれで充分ですしとても格好いいのですが、なぜ彼がそのような考え方をする人間なのか、という事については描かれていません。
それを映画では、「東部で法律を学んできた理想に燃える優しい青年」というキャラクターに描き直していました。それにより、ローン・レンジャーの「法を重んじる」「人は殺さない」という主義に説得力を持たせ、また見る人に親近感を抱かせる効果が出ていると思います。

余談ですがローン・レンジャーは素手での戦いも強いので、そこを「ロースクールでボクシングをやっていた」という設定にしたのもユーモラスで良かったと思います。(映画ジョンはあまり強くないのですがw)


■テキサス・レンジャーとキャベンディッシュ団
【映画のストーリー】

護送中に脱走した悪党ブッチ・キャベンディッシュを追うため、ジョンの兄であるダン・リードを隊長としたテキサス・レンジャーが町を出発します。テキサス・レンジャーのメンバーであるコリンズが、キャベンディッシュ団を見つけたと報告したためです。帰郷したばかりのジョンも兄からテキサス・レンジャーバッジを貰い(これはリード兄弟の父親のものであると描かれています。)、テキサス・レンジャーに同行していました。

しかし、コリンズは裏切り者だったのだ!見通しの悪い谷間を通過する際、先に様子を見に行ったコリンズの「安全だ」との言葉を信じた一行は谷間でキャベンディッシュ団から狙撃されてしまいます。あわやテキサス・レンジャーは全滅と思われたが……

【元ネタと思われる要素】
上記は、ローン・レンジャーのテレビドラマ版第1話のエピソードとほぼ同じです。
テレビドラマ版では、コリンズはテキサス・レンジャーのメンバーではなく、テキサス・レンジャーに助けを求めに来る男として描かれています。コリンズが「無法者のキャベンディッシュ団を見つけたから、捕まえるためについてきてくれ」とリード隊長に要請し、6人のテキサス・レンジャーが町から出発します。
しかし実はコリンズはキャベンディッシュ団の一員で、見通しの悪い谷間でテキサス・レンジャーたちは襲われてしまいます。この中で唯一生き残ったリード隊長の弟が、兄の形見のジャケットから作ったマスク(このマスクを作るのはトントです。トントめっちゃ器用!)をつけ、ローン・レンジャーになります。

また、リード兄弟の父親は、テレビドラマ版の設定では軍人であったそうです。ローン・レンジャーの劇場版一作目「西部の王者ローン・レンジャー」(邦題)(1956年公開)の中で、ローン・レンジャーが「私の父は軍人だった」と、話の中で一瞬触れています。


■崖に立つ白馬
【映画のストーリー】

テキサス・レンジャーたちが馬を進める中、崖の上に白馬がたたずんでいるのを見かけます。神秘的なシーンですが、これが後にローン・レンジャーの愛馬となる「シルバー」です。

【元ネタと思われる要素】
これはあまり確証が持てないのですが、1956年の劇場版の中で、ローン・レンジャーたちが野宿をしているシーンがあります。この時、二人に頭上の崖の上で、シルバーが綱も繋がれていない状態で見張りをし、ローン・レンジャー達に合図を送るというシーンがあります。
そのシーンがとても美しく、映画版の上記シーンの元ネタなのでは?と思い至りました。

テレビドラマ版のシルバーは、野生馬で、バッファローに襲われて怪我をして動けずにいたところをローン・レンジャーに救ってもらい、回復をしてからローン・レンジャーの愛馬となります。
たいへん頭が良く、見張りをしたり、背後から敵が近付いてくることをローン・レンジャーに教えるなど、シルバー単独でも活躍するシーンがとても多いです。
真っ白で大きくて、白黒の画面でも映える、とてもきれいな馬です。


■トントと銀の銃弾と銀鉱山
【映画のストーリー】

トントは少年時代に住んでいた集落を、白人の襲撃に遭って失ったという過去を持っています。この襲撃は実はトントが白人に銀鉱山の在り処を教えてしまったからで…という、トントの悲しい思い出が物語の重要なポイントになっています。
トントは村を襲った白人(これがキャベンディッシュ)を悪霊として憎み、「悪霊を生んだのが銀ならば、悪霊を土に還すのもまた銀だ」という考え方のもと、銀の銃弾を作り、ローン・レンジャーに託そうとします。

【元ネタと思われる要素】
このあたりの設定はいくつかの別々の要素が絡まって出来ているようです。

・テレビドラマ版トントの過去
トントは、戦いによって焼かれてしまった集落の出身です。集落は焼き払われてしまったのですが、偶然にもトントは一人生き残っており、焼け跡で弱っていたところを当時テキサス・レンジャーだったローン・レンジャー(つまりジョン)に介抱されていたのでした。この時からトントはジョンのことを「キモサベ(「信頼できる奴」という意味、と解説されています)」と呼んでいます。

キャベンディッシュ団の襲撃に遭ったテキサス・レンジャー達を発見し、生き残ったジョンを見たトントは、「あの時のキモサベ!」とすぐに気付いたのでした。

・銀の銃弾
銀の銃弾は、ローン・レンジャーのトレード・マークです。というのは、ローン・レンジャーの活躍は有名で、各地に名をとどろかせているものの、マスクをつけた怪しいいでたちのため(笑)出会う人に毎回「盗賊か?」と警戒されてしまうのです(笑)。
そこで、ローン・レンジャーはベルトから銃弾を抜いて、人々に見せます。
「銀の銃弾…?すると君があのローン・レンジャーか!」

実は、不殺主義のローン・レンジャーは、自分がやむを得ず銃を抜き狙撃をした時は、自分が現れたという証に、銀の銃弾を使うことにしています。
この銀の銃弾は、過去に兄のリード隊長と二人で発見した銀の鉱脈(兄弟はこれを秘密にしていました)から取れる銀で作っています。トント以外にローン・レンジャーの正体を知る、故郷の町の知り合いのおじさんがおりまして、その人に事情を話して秘密で作ってもらっています。

…ということはローン・レンジャーさんは定期的に里帰りしてそうだなぁ。そんなシーン全然ないですがww

・銀鉱山とそれを狙う白人
今回の映画の銀鉱山は、上記の秘密の銀鉱山とは元ネタが違うようです。
ローン・レンジャーの劇場版一作目「西部の王者ローン・レンジャー」(邦題)(1956年公開)の中で、銀鉱山を狙う白人が登場します。銀鉱山は先住民の居住区の中にあるため、白人はあの手この手で先住民をだましたり濡れ衣を着せたりして、どうにかして銀鉱山を手に入れようとします。おそらく、今回の映画の銀鉱山の下りは1956年の映画版が元になっていると思われます。

【好感が持てた改変ポイント】
今回の映画版では、トントのキャラクター作りに際してジョニー・デップがかなり関わっているらしいですね。パンフレットの解説によると、ジョニデは少し先住民の血を引いているのだそうで、そのこともあって幼少期にテレビドラマ版のローン・レンジャーを観ながら、「どうしてトントが脇役なのか?」とずっと疑問に思っていたのだそうです。
テレビドラマ版のトントについては、集落の生き残りであり、テキサス・レンジャーの生き残りであるローン・レンジャーと似た境遇であると言えます。しかしトントの考えなどには作中では触れられておらず、トントがローン・レンジャーに味方して、時にリスクを冒してまで一緒に戦う理由などは今いち不明瞭です。

なお、ラジオドラマが始まった当時、これまでの西部劇で悪役としてばかり描かれていた先住民が、サイドキックという形であれヒーロー側のキャラクターとして描かれたというのはかなり斬新で、それがローン・レンジャーの人気に火がつくきっかけになったようです。

銀鉱山などのエピソードと上手く混ぜながら、トントのキャラクターに膨らみを持たせ、彼がローン・レンジャーと共に行動する理由をきちんと描いた本作は、上手くアレンジされていてすごい、と素直に感心しました。


■先住民のふりをして犯罪を行う白人たち
【映画のストーリー】

「先住民が法を侵して白人を襲った」という争いの火種を作るために、先住民に変装したキャベンディッシュ団のメンバーが、ダンの妻であるレベッカや、息子のダニーがいる民家を襲撃します。そこにローン・レンジャーとトントが駆けつけ、襲撃の犯人の正体を暴きます。

【元ネタと思われる要素】
これも、元ネタは上記の銀鉱山と同じく、1956年の映画でのエピソードを元にしているようです。ある地主の男が先住民の土地にある銀鉱山を手に入れるため、先住民を追い出す口実を作ろうと、やくざ者を雇い、先住民に変装させて牛を盗んだり、殺人をしたり、やりたい放題の悪事をはたらかせていました。
彼らはローン・レンジャーとトントによって捕まえられ、保安官に引き渡されます。

なお、白人の犯罪を先住民の仕業に見せかける、というエピソードは、テレビドラマ版第8話の「裏切り者」でも見ることができます。


■燃える家に閉じ込められるローン・レンジャーとトント
【映画のストーリー】

先住民に変装したキャベンディッシュ団のメンバーと対決する際、ローン・レンジャーとトントがレベッカ達を救おうと民家に入って行くのですが、そこに火をかけられてしまい、燃え盛る民家から脱出をすることになります。

【元ネタと思われる要素】
テレビドラマ版の第7話「ピートとペドロ」で、ローン・レンジャー達が悪党に捕まり、納屋に閉じ込められて火をかけられるというシーンがあります。初期エピソードの中では印象的な大ピンチのシーンです。

余談ですがこの話のゲストキャラクターであるピート&ペドロという二人組は、ローン・レンジャー&トントの真面目な二人組と対象的に、お笑いコンビとして描かれています。ピートとペドロの間の抜けた掛け合いを見ながら、愉快そうに笑うローン・レンジャーの笑顔がとても格好良くて可愛くて、たいへんツボでした。


■トントの愛馬
【映画のストーリー】

今作ではローン・レンジャーとトント、そして白馬(シルバー)のドタバタトリオがヒーロー側のメインのキャラクターでした。
ラストシーンで事件をすべて解決したローン・レンジャーとトントが旅を始めるシーン、これまで歩いたりシルバーに乗っていたりしたトントが、茶色い模様の馬に乗っています。茶色い馬に乗ったトントと、白馬のシルバーに乗ったローン・レンジャーが並んで馬を進めるシーンで物語は終わります。

【元ネタと思われる要素】
トントが乗っている茶色い模様の馬は、ドラマ版で「スカウト」と名付けられ、トントのもう一人の相棒として、シルバーと共に大活躍をする馬です。
テレビドラマ版では第1話のトント初登場シーン(倒れたジョンを発見するシーン)から登場しています。
野生馬であったシルバーがローン・レンジャーに慣れてきた時に、トントが「シルバー、スカウトとも仲良し!」と笑顔でコメントしており、二人と二頭は皆強い絆で結ばれていることが暗に示されています。
スカウトは、シルバーと並ぶとやや小柄です。


今のところ気づいたポイントはこんな感じです。他にもあれば追記・修正していきます。(^^)

テーマ:映画関連ネタ - ジャンル:映画

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